行列の共役が作る関係は同値関係である

$n$ 次の正方行列 $A,B$ に対して、関係 $A \sim B$ を以下のように定義するとき、この関係 $\sim$ が同値関係であることを証明する。 $$ A \sim B \Longleftrightarrow \text{ $P^{-1}AP = B$ を満たす正則行列 $P$ が存在する} $$

(反射律) $P$ として単位行列を取れば $P^{-1}AP = A$ が成り立つから、 $A \sim A$ である。

(対称律) $A \sim B$ のとき、 $P^{-1}AP = B$ なる $P$ が存在し、 $Q = P^{-1}$ と置けば $Q^{-1}BQ = A$ である。したがって、 $A \sim B$ ならば $B \sim A$ である。

(推移律) $A \sim B$ かつ $B \sim C$ であると仮定する。このとき、 $A \sim B$ から $P^{-1}AP = B$ なる正則行列 $P$ が存在し、 $B \sim C$ から $Q^{-1}BQ = C$ なる正則行列 $Q$ が存在する。よって、 $Q^{-1}BQ = Q^{-1}P^{-1}APQ = C$ である。ここで $R = PQ$ と置けば、 $R^{-1}AR = C$ が成り立ち、 $A \sim C$ であることがいえる。

以上より、関係 $\sim$ が同値関係であることが証明できた。

※単位行列、逆行列、行列の積に対応しているのが興味深い。


Hiroshi Yuki.
2015-04-01 15:01:41 +0900